HOW TO バイクパッキング 『Bikepacking 101』 Vol.1 基礎知識と楽しみ方

近年注目される自転車旅のスタイル「バイクパッキング」。初めての方から、自分なりの旅スタイルを探そうという方まで、バックパッキングのコツや注意点を旅のベテランに聞いてみました。

協力 : サムズバイク(北海道札幌市)
2015年札幌ルート(サムスバイク~野幌公園)

バイクパッキングとは?

大型のサイドバッグや重さのある金属キャリアをつけて、という従来のスタイルと比べて、バイク自体に取り付けるバッグ類や軽量化された装備などを組み合わて、ツーリングと同時にオフロードなどこれまでできなかったライディングを楽しむ注目のスタイルです。サムズバイクさんが考えるバイクパッキングとは?

バイクパッキングは、以前にも存在はしていましたが、最近になって新たに見直されるようになってきたスタイルです。キャリアやサイドバッグに頼らず、自転車に直接バッグを取り付けてパッキングします。乗ってみて感じるのは意外と走りやすい、ということ。旅をしながらでも、いわゆる「スポーツ走行」しやすく、オフロードでもがんがん走って行けます。自分の外側に荷物がない、フレームに沿った縦の中心線に荷物が集まっているのが理由の一つだろうと思います。最近のキャンプ道具等は、軽くてコンパクトなものが多く出てきているので、そういったものを活用すれば、自転車が数kg重くなるだけなので、さほど走りには影響を感じません。

そうなると道を選ばないで走っていけます。そこはバイクパッキングの良さです。より自然に近づけて、今まで知ったことのない道も走れる。そういった意味では、すごく魅力的で贅沢な自転車の旅のスタイルだと思います。アスファルト以外の部分を走れると、とにかく自由になれますね。

確かに実際に乗っていると、バッグを付けて走っている時よりも下り坂などでのバタついた感じがありません。走りやルートの選択肢が広がるスタイルですね。

バイクパッキングに適した自転車は?

バイクパッキングに行こうと思ったら、どんな自転車を選ぶのがいいか、何か特別なバイクでなくてはならないのか、というところで迷っている方も多いと思います。

個人的には何でもいいと思ってます。自分が今乗っているバイク、スポーツバイクであれば。
個人的にはオフロードを走れた方が楽しめると思います。オンロードだけじゃつまらなくなってくるというか。走ったことのない道を走ってキャンプ場までたどりつく、というのはバイクパッキングの大きな魅力だと思うので、ちょっとオフロードを走れる方が楽しいと思います。

古いMTBでもいいですし、前後にサスペンションがあってもクロスカントリー系ならいいと思います。クロスバイクなら限界まで太いタイヤを履かせてみるとか。でも、投資するならバッグやキャンプ道具にということにして、まずは手持ちの自転車で行ってみるのがいいと思います。


バイクパッキングの必要装備

軽量化がポイントのバイクパッキングですが、不慣れなうちはどうしても荷物が大きくなってしまいがちです。装備選びのポイントは?

最低限の修理道具は当たり前ですよね。その他で選ぶとしたら、個人的には「お湯を沸かす道具」かなと思っています。途中でお昼ごはんを食べる時にちょっとコーヒーを飲むとか。お湯を沸かす最低限の道具があるといろいろ広がります。

バイクパッキングって、別にキャンプをしに行かなくてもいいんだと思うんです。バッグをいくつもつけた重装備である必要はなくて、お湯を沸かす道具とマグカップを持っていって、走りに行った先でコーヒーを飲んで帰ってきたり、カップラーメンを食べたり、そういったことを楽しむだけでもいいのかなと。あとは、やはり火で何かするというのは楽しいので、バイクパッキングの中ではそこは贅沢な遊びの部分になると思います。

もし何か料理をするなら、粉モノの調味料、例えば七味唐辛子や塩こしょうなどをちょっといいものにしたりすると幅が広がります。


キャンプする場合、個人的にはシュラフとマットにちょっとお金を掛けておいた方がいいと思います。
これだけのバッグで運ぼうとすると、テントは登山用でも結構かさばり重量もあります。しかもザックに入れて背負うからあの形がいいわけなので、バイクパッキングのスタイルで運ぶとなると、実際なかなか持ち運びにくいものが大半です。今、自分ではテントは持ち歩いていなくて、「シェルター」を使っています。「ビビーサック」の中で座れる程度のスペースで、たたむとペットボトルくらいの大きさになります。重要視しているのはエアマットを使うこと。とにかく寝心地を良くして次の日にできるだけ疲れを残さないようにしています。できるだけ「自転車で走る」ことを優先しているので、寝泊りは最低限、疲れをとるための条件が揃っていればいいと思っています。やっぱり自転車の旅なので、自転車で走ってナンボですから。

着替えはアウトドア用品などの速乾性のものを。自分では何泊する場合でも着ていくものともう一着しか持っていきません。その場で洗って干せばすぐ乾くものにしています。あとの衣類はなるべく圧縮しやすいもので。
あと、これは勝手なこだわりなのですが、あまり派手な格好はしていきません。調理道具をあまり持っていかないのでそんなに凝った料理はしませんし、できるだけ旅先で名物やおいしいものが食べたいと思ったら、普通に食堂などに入ることになります。最近の自転車のウェアにはカジュアルなもの増えているので、入って食堂のおばちゃんにぎよっとされたりせずに普通に入っていける程度の恰好にしています(笑)。
ただ、レーサーパンツは穿きます。短パンの下に穿いていたりという感じで。疲労軽減のためにも穿いた方がいいと思います。

ファーストエイドも最低限持っていきます。アウトドア用品店などでキットもありますが、どうしてもかさばってしまうので、それをバラして必要に応じたものを持っていきます。消毒薬とダニ取りピンセットは必須。ポイズンリムーバーも持っていきますが、それよりも刺されたり何かあったりしたら、できるだけすぐ町まで出て病院に行くのが大事。実際に使ったことは一度もありません。虫よけにしっかりしたものを使っているからかもしれません。虫除けは米軍使用という強力なものを使っていますが、ちょっと肌荒れ状態になるので肌が弱い方にはおすすめできませんね。ミントを使うこともありますが、どちらかというと清涼感目的かな。

あとはラジオ。これは特にソロで行くときですね。天気や交通情報はもちろん、走っていて退屈になった時には音楽や人の声が聞こえます。夜寝る前に聞いたりもします。

それと、北海道ならではかもしれませんか、熊鈴とエマージェンシーホイッスルを持っています。熊には実際に2~3m先に出てきたことがあります。その時はじっと睨みつけたら退散してくれたのですが、札幌では街中でもありえることなので(笑)。

バイクパッキングルートの考え方

自分が決める時に考えるのは、多少でもいいのでオフロードを入れてみるのがひとつ。Google Mapの航空写真を見ながら、ここは砂利道なんじゃないか、と見ています。入って大丈夫かどうかは事前に調べますが、私有地なこともあるので、それは近くまで行ってみないとわかりません。なので、エスケープできるルートの下調べは必ずしておきます。あとはコンビニやスーパーの位置や名物が食べられる場所など。万が一のために近くの旅館やホテルも調べておきます。それらは全部地図に書いて持っていきます。GPSなどではなくあえて紙の地図です。書きこむことで記憶にも残るし、どんなものがあったか記入していけば思い出も残り、記録にもなります。

一日に頑張れば片道100kmくらい行けますが、オフロードを入れるので。北海道の場合はオフロードに入るとだいたい絶景が待っているので、あまりスピードは上がりませんよね(笑)。そんなこともあるのでせいぜい80kmくらいにしています。これが最大で、あまり走らない時は40~50km程度とか。

宿泊場所については、北海道であれば1泊1000円程度のライダーハウスや旅人用に無料で宿泊できる施設もあるので、キャンプ場にこだわらずそういうところを利用することもあります。


ソロで行く時の注意

特にソロで行くときは、いかにトラブルに対処できるかというところなので、スキルを身につけてきちんと「備える」ことが大事。ソロで行く時はいつも工具が重たくなります。どうしても持っていかないと不安になってしまうんですね。グループなら何かしら対処ができるかもしれないのですが、一人のときは限りがあります。どうしても動かなくなった場合は輪行して帰ってこれるように公共交通機関の位置も覚えておくといいと思います。


解説 :
サムズバイク バイクパッキングアドバイザー tkdさん

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