伊勢ルート2015

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名古屋はサークルズのスタッフとその仲間達。
通勤や通学など日常生活の移動手段として自転車に毎日跨がる一方で、3人ともシクロクロスのレースのライバルでもある。
普段はもっぱら冒険という名のライドを楽しむことが多く、分岐路に差し掛かったら、とりあえず行った事のない道を選んで進んでみようとするのは3人に共通すること。

協力 : Circles(愛知県名古屋市)


・シゲ
使用バイク:Salsa Vaya
バイクパッキングの魅力:綺麗な景色を求めたり、踏み入れた事のない道や新しい世界との出会いがあること。そして自転車以外の様々なアウトドアアクティビティと組み合わせる事でその人らしい遊びを追求できるのも魅力だと思います。

・ゴウ
使用バイク:Surly Cross Check
自転車の魅力:遊びの幅や人との繋がりを広げてくれる、自分自身にとって欠かせない遊び道具

・シガちゃん
使用バイク:Surly Karate Monkey
好みのタイプ:ある程度放っておいてくれる人。


1泊2日のキャンプツーリング。
ルートの構築から、テントや調理用具をバイクに積む方法を考えたりと、準備の段階から自転する力が試される。
今回は、同年代の川合君と、Circlesにバイトに来てくれている志賀君の3人での冒険。せっかくの機会だから行った事の無い土地に足を伸ばそうと思い、ツーリングマップと睨めっこして、三重県松阪から伊勢志摩を巡るルートに決めた。


ライド当日、夜勤明けの川合君と合流し、輪行で松阪へ。
車中では駅弁を食べて英気を養う。一日目は出発の時間も遅いので、そこまで時間がかからないようなルート設定をしたが、 欲張りな所と、脚の揃った面子なら行けるだろうと一つ峠越えるルートを設定したのが吉と出るか凶と出るか。松阪駅から一路キャンプ地を目指した。
まずはこの二日間を楽しむぞという気持ちも込めて挨拶代わりのSNS投稿。平日の昼間っからこんな投稿をすると、ジェラスな「いいね」を頂く事になると思いますが、これも冒険ライドには欠かせない。(笑)

ちなみに、当初は「#OUTTHEREJAPAN」のタギングを目論んでいたが、ポール・マッカートニー大先生には到底敵わないので、「#OUTTHERENIPPON」とすることにしたのは此処だけの話。


和歌山の方へと続く街道を淡々と進んで行く。距離を重ねていくごとに見える景色も少しずつ変わり、新緑の山肌を見ながら先へと進む。
アメリカの広大な土地をツーリングするのもダイナミックで魅力的だが、日本の小さな国土特有の、走ればどんどん景色が変わっていく情景はきっと海外の人にとっても新鮮だろうと思う。


そうこうしていると辺り茶畑が広がる地域に。喉も乾いたので道の駅で一休み。
やはりこの地はお茶が名産らしい。休憩所にて振る舞われていたキンキンに冷えたお茶がとにかく美味しかった。


車とは違う、自転車のペースだからこそという発見は多い。
初めて走る土地では、そうやってついつい寄り道をしてしまうが、あまりのんびりしすぎると陽が落ちてしまう。
陽も傾いてきて、僕らは早めにライトのスイッチを入れ先を急いだ。


すっかり車の通りも少なくなって、奥地へやってきたなと思いながら、この日の難関である峠に差し掛かる。
くねくねと連なるスイッチバックを登っていくと、ちょうど西の方の山に夕陽が落ちていくドラマチックな瞬間に。
3人とも思い思いにカメラのシャッターを切った。


なんとか日没前に峠のピークを越えて、あとはキャンプ地へと下っていくのみ。
晩ご飯に思いを馳せながら、力一杯ペダルを漕いだ


地元のスーパーで食材を買い出し、キャンプ地に着く頃にはとっくに真っ暗になっていたが、手際よくテントを張って、 川合君が家で仕込んできてくれたカレーと、即席で作ったおつまみで一日目の労をねぎらった。

今日の道のりを振り返ったり、明日のルートの事を話したり、普段なかなか話さない話題で盛り上がり、あっという間に時間は過ぎていく。
良い疲労感と普段はあまり飲まないお酒で、すっかり眠くなってきてしまったので、それぞれテントで横になったのだが、ちょうどそのタイミングで雨がポツポツと降ってきた。

2時間くらいは降っただろうか?時に雷もゴロゴロ鳴っていたが、ぐっすり寝ていた他の二人は気づいていなかったらしい。


心配した雨も夜中のうちに止んで、二日目もしっかりと晴れ渡った空。
山の中はとても過ごしやすく、ついついのんびりしてしまうところだけど、身支度を済ませ、朝食にと用意していた卵とベーコンを炒めてサンドイッチにして頬張った。


今日は一気に海を目指す。でもその前に三つの峠をやっつけるのだ。普段のライドでも登ることが多いが、荷物をしっかりと積んだバイクで峠を登るのはいつもと勝手が違う。
前を走る二人はそんなこと気にもせず快調に進んでいく。自分で組み立てたルートに自分が一番苦しめられるのであった。それでも登ったご褒美の下りの為にと必死で食らいついて、一つ目の峠をクリア。下っていく途中で一台の軽トラに遭遇。お互いどこから来たとか、この先の道がどうなっているかと情報を交換し合う。こういった出会いもまた楽しみの一つ。


順調に進んで二つ目の峠もこなすと、下りの途中で調子の良さそうな小川を見つけた。
みんなニヤリとハンドルを切って、河原へと降り、持ってきていたサンダルに履き替えた。火照った身体を冷やすには恰好のポイント。 この先補給もできなさそうなので、用意しておいた補給食を持ち寄り、小休止。


この時点で二日目の行程の半分くらい。休憩もほどほどにして、山深い道を再び前へと進んでいく。
本当に海にたどり着くのかと思ってしまいそうなくらい山深い、パスハンティングというのがふさわしいライド。
さらに進んでいくと景色もだいぶ開けてきて、ようやく最後の峠を迎えた。見晴らしの良い所で、記念撮影。落ちていた丸太にカメラを乗っけてセルフタイマーでカシャッと。


最後の峠を越えて少し下れば、海が近づいていることを知らせるように潮風が吹いてきた。いよいよと思うとみんな自然とペースも上がる。
この辺りはリアス式海岸で有名で、入り組んだ湾のようになっているので、大海原が一気に目の前に広がる訳ではないが、それでも海が見えた時はみんな童心に返ったように喜んだ。


このあと海の幸を頂くというのが当初の目論みだったが、リサーチ不足で意外と食事にありつける所がなく、疲れも来ていたので、海辺の駄菓子屋さんでアイスを買って海を見ながら作戦会議。
時間も予定よりかなり経っている。このまま終着地を目指すか、それとも下調べをしていた展望台を目指すか。 ここまで来たならと満場一致で展望台を目指すも、まさかの4つめの登りが待ち構えていた。

展望台は小高い丘の上にあるので、冷静に考えればそこまで登る事は安易に想像できたはずだと後悔しかけたけど、登った先に広がる景色を見たらそんなことは全て吹っ飛んだ。

英虞湾を一望できる絶景。 ここに辿り着くまでの過程を振り返りながら、2日間の冒険を締めくくるように、この最高の眺めをしっかりと目と心に焼き付けた。

僕たちにはまだまだ知らない土地や知らない事が沢山ある。


1泊2日のキャンプライドでも、それこそワンデーツーリングでも、ちょっとした冒険心と、ちょっとでも挑戦してみようという気持ちがあれば、 きっと見える景色は変わってくるし、もっと人生が豊かなものになると思う。

これからもまた自転車で新しい発見をしていこうと、そしてその経験をみんなで共有していけたらいいなと。
そんな話をしながら、二日間ですっかり汚れたバイクをパッキングし、賢島から名古屋行きの電車に乗り込んだ。


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TEXT by Toyoshige Ikeyama PHOTO by Shotaro Shiga
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