熊野ルート2016

20160420OUTTHERENIPPON-17

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自転車部でもなんでもない、普通にバイトして普通にフットサルとかして遊ぶ大学生4人。
同じ学部で学科は違うけど、入学したときからだんだん話すようになった似た者同士。
普段遊ぶなんてどこかに車で行くとかスノボ行くとかで、通学と土日のどちらか日帰り程度でしか使ってなかった自転車を引っ張り出した。

協力 : Circles(愛知県名古屋市)

・しが
使用バイク: Fuji further CX+
自転車の魅力 ペダルを踏めば進むところ

・ ふみや
使用バイク: Anchor UC9
好きな食べ物 カツカレー

・ ゆうすけ
使用バイク:Surly Pacer
最近始めたこと フットサル


・ ヤギ
使用バイク: Salsa Vaya
バイクパッキングの魅力:容量が限られた中でいかに楽しめるか取捨選択して工夫すること


自転車。
文字通り自ら転がす車である。

世の中に自転車に荷物を積んで旅をしている大学生なんていたるところにいるだろう。
そう、特別珍しいことじゃない。だからこそ、今回のツーリングには彼らを引っ張り出そうと決めていた。

悪友とも呼べる3人の大学院生をサポートするキャンプツーリング。彼らに自転力を高めてもらおうではないか。
キャンプツーリングや未舗装路が未体験であろう彼らに思いっきり楽しんでもらうことを考えながらパッキングをした。


海を見ながら特急列車で南下し出発点である古座駅の近くで買い出しをすませると、とりあえず食材は全部自分のパニアへ。もちろん重くなるけれど、これくらいハンデがあったっていい。
海から山が突き出るような紀伊の地形を目の当たりにしながら、川沿いをどんどん上流へ向けて走る。序盤はなんだって調子がいいもので、大学院入学後の近況報告をしながら進んで行く。




「サドルバッグが擦ってる」「ライト外装溶けた!?」とか言いながら、魔物が食べ残したという伝説の残る古座の一枚岩へ。国内最大級の一枚岩なんて写真には収めきれない、とぼやきながらお決まりのパノラマ撮影。
まだ序盤、という言葉に「マジかよ」と返しながらも全員元気。そのまま北上して、ダム湖を超える。みんな単純だから吊橋でテンションが上がって、そのまま撮影会。この辺りは本当に大学生のノリ。





普段から通学やちょっとの遠出に自転車に乗ってるメンバーなのでそんなに心配はないだろう、と思いながらも木立の間を抜けていく。途中でイモリを見つけたり湧き水に立ち止まったり、徐々に道の傾斜を感じ、慣れないパッキングスタイルの自転車の重さを感じつつペダルを踏む3人。とちょっと遅れる僕。若干食料を引き受けまくったことを後悔したがもう遅い。






傾いていく太陽と共に今回僕がメインディッシュに設定したグラベルへ。斜度もきつくないし、ガレているわけでもないし、初心者にはちょうどよさそうだという印象だけで選んだ道だったがこれが大成功でもあり大失敗でもあった。
パンクやパッキングの緩みを気にしながらオフロードをパスする。この時点では特に何も問題なし。日没が迫るがこの道を抜けてしまおう。そう思ってどんどんと道を進むと、斜度と荷物の重さが徐々に体力を蝕んでいく。
そう、グラベルを乗り越えた先の道の方が厳しかったのだ。「無理..」「押すわ..」と折れかけた心で歩く3人。内心このアドベンチャー感にひとり喜んでいたのはここだけの秘密だ。だってせっかく遠出したのにイージーな事ばっかじゃ面白くないでしょ? まああの時こんな言葉を発していたら袋叩きにあっていただろう。






最後(と予想される)峠を越える頃になるとすっかり日は落ちて、楽しい楽しいナイトライドだ。もちろん本当は日中にキャンプ場に着きたかったのだけれど。 街灯もない道で、光量のあるライトやヘッドライトに助けられながら下っていく。「石!」とか叫びながら。と、グラベル区間ではパンクしなかったのによりによって暗くなってから立て続けにパンク。
お任せありとばかりに10分くらいでチューブ交換するんだけど、「早い」「もうちょっと休ませて」との声が。そろそろ皆の体力の限界も近い。



徐々に民家の明かりが見えてきて安心したところで、目的のキャンプ場近くの温泉へ滑り込みin。温かいお湯のありがたみをこれほど全身で感じたことはなかった。
キャンプ場へ移動し暗闇の中ライトを頼りに設営、夕食を食べて話もそこそこに寝床へ潜り込む。もちろんビールは調達できたので飲んだけれど。


全員疲れていたのか、目標としていた起床時間を1時間半ほどオーバー。
コーヒー淹れて、本当に簡単な朝食を食べて、雨予報もあって準備もそこそこに出発することに。疲労度と天気を考慮した結果、ちょっと予定よりショートカットしたルートをとることに。


ペダルを回す脚は重く、それでも消化した食料の分だけ軽くなった車体とともに今日も川沿いを進んでいく。
山がちの地形だと、大きな道路や走りやすい平地は川沿いに集中するのはどこの地域でも同じらしい。




今日は今日で写真を撮ったり休憩を挟み、丸山千枚田へとハンドルを向ける。棚田であるからには登るしかしょうがないのだけれど、「帰り」を意識できているせいか昨日よりも心なしかペースが上がる3人。
たどり着いた千枚田はまだ田植え前、しかも今にも降り出しそうな曇り空ということを差し引いても壮観であった。こんな景色を見ることができるなら坂を上ることも悪くない。



そして何より予想外だったのが、千枚田から抜ける木立に囲まれた道が最高に楽しかったこと。程よい下り、スピード感ともに気持ち良く、海へと向かう僕らの気分を高めてくれる。
徐々に増えて行く民家。田植えが済んでいる地域もあって下に降りてきたことを実感させられつつ、突然海へとたどり着いた。3人にはとりあえず被写体になってもらって、旅の終わりを締めくくる。




山から下りてきた、という実感を抱くとともに途端に疲労感が襲ってきた。ロードバイクだったらなんてことのない距離も、しっかりパッキングしたバイクだとかなり体にきているみたいだ。

冒険やアドベンチャーという言葉に踊らされて自分の知らない道や峠を通ってみることが多いけれど、その周辺にはちゃんと住んでる人がいて営まれている生活がある。
日本は自分の思っているよりも広いのかもしれない。

昨日の夜、民家の明かりに出会った時に考えたことををぼんやりと反芻しながら帰りの鈍行列車では爆睡していた。もちろん4人とも。
次はどこへ行こうか。



album

TEXT by Shotaro Shiga
PHOTO by Shotaro Shiga

ROUTE MOVIES


SUUNTO TRAVERSEを使用して計測したGPSデータをムービーとしてご覧いただけます。当日の天気、高低差までレンジャーになったつもりで体感ください!

DAY1

DAY2
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